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なぜ「タンス預金」が知られるのか?亡き母のタンス預金にも税金がかかるの?

突然ですが、「タンス預金」という言葉を聞いたことがありますか?実は、多くの日本人が持っていると言われる「お金を家に隠しておく」ことを指す言葉なんです。 しかし、そもそもなぜ「タンス預金」が知られ、日本人にとって身近な存在なのでしょうか?

1.「戦後」の混乱と信用の崩壊

第二次世界大戦後の日本は、混乱期を迎えていました。物資が不足し、人々は食料や日用品を手に入れるのに苦労していました。そのような時期に、銀行が破綻するケースが相次いで発生しました。それによって、人々は金融機関への信頼を失ってしまったのです。 このような背景から、多くの人々が自宅にお金を隠して、必要なときにすぐに手元にお金を持っていたいと考えるようになったのです。

2.気軽にできる「貯蓄」の形として

また、銀行に預けると利息がつくこともあり、昔からお金を貯めるために銀行の預金口座を使っていた人も多いですが、一方で利息が安いケースもあり、大きな金額を預けないとあまり意味がないというデメリットもありました。 それに対して、自分でお金を管理できる「タンス預金」は手数料もなく、気軽に貯蓄をすることができたことから、広く知られるようになったのです。

3.タンス預金にも「相続税」がかかる!?

ところで、タンス預金は「相続税」の対象になります。相続税とは、遺産を相続する人が支払わなければならない税金で、遺産が大きいほど税率が高くなる仕組みです。 具体的には、遺産が800万円を超える場合には相続税が課せられます。ただし、相続税の対象になる遺産には貯蓄預金も含まれ、タンス預金も同様に課税されます。 親や祖父母が亡くなった際に、自宅のタンスからお金が見つかると、「相続税」の申告や納税が必要になることもあるので注意が必要です。

いかがでしたか?「タンス預金」は、戦後に信用が揺らいだ銀行に対する不信から広まったものであり、手数料がかからず貯蓄がしやすい点が人気となりました。ただし、相続の際には相続税の対象となるため、遺産を相続する人は注意が必要です。